結論
結論から書くと、ピアノロールの[機能]>[サスティンペダルをノートの長さに変換] でサスティンペダルが消えて音の長さがサスティンペダル分の長さに変更されるので、オーバーラップなし設定のスコアであればこれで特に問題は出ないのではないかと思います。なぜやりたい?
なぜこれをやる必要があるかというと、鍵盤でリアルタイム入力して鍵盤用の譜面を作る場合、サスティンペダルを使用することがほとんどで、そのまま譜面を表示するとこのようになります。![]() |
リアルタイム入力後のスコアエディタの状況。Ped. * などの記号がごちゃごちゃと出てしまう。 音の長さも鍵盤から指を離したタイミングまでとなり、いちいち休符が入ってしまう。 |
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リアルタイム入力後のピアノロール。譜面の4小節目までが表示されている。 下部の線がサスティンペダルの状況。127 が踏んだ状態、0 が離した状態。 |
譜面でサスティンペダルの指定を行わない場合は、音符の長さをサスティンペダルを踏んで伸ばしたい長さにする必要があります。でないと、普通に指を離したタイミングで音を切る、という譜面になってしまいます。上のピアノロールの通り音が途切れてしまうわけです。
てっきりスコアエディタの設定に、サスティンペダルを表示せず、音符の長さをサスティンペダルを踏んで伸ばしたい長さにするオプションがあるものと考えて探しましたが、どうも無いようです。
ネットを調べていると、「サスティンペダルをノートの長さに変換」の機能があることがわかり、使えそうということで試してみました。
「サスティンペダルをノートの長さに変換」機能を使ってみる
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ピアノロールの[機能]>[サスティンペダルをノートの長さに変換] メニューを表示した状態。 |
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サスティンペダルをノートの長さに変換した後のピアノロール。ティンペダルが消えて音の長さがサスティンペダル分の長さに変更されている。 |
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サスティンペダルをノートの長さに変換した後のスコアエディタ。 ペダル記号と余分な休符がなくなり、スッキリして見やすくなった。 |
一つ注意点あり
スコアエディタの方では「オーバーラップなし」の設定にする必要があります。通常はデフォルトで「オーバーラップなし」になっているので変更していなければ問題ないと思います。サスティンペダルを踏んだ状態で同音連打をした場合、前のノートは切られることはなく、サスティンペダルが切れるところまで伸ばされます。ということはノートがその間重なった状態になるわけです。
そうなると、スコアエディタではどのように表示されるかというと、このように音符がタイで繋がれてしまうのです。これを見た奏者は後の音符は弾かず、2小節目などは、なんで全音符にしなかったんだろうと疑問に思うでしょう。
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リージョンの設定で「オーバーラップなし」のチェックを外した状態のスコアエディタ。 余分なタイが表示されていて、誤解を生んでしまいそう。 |
ちょっと気になる問題点
譜面的にはこれでとりあえずなんとかなっていますが、いくつか問題があるのではないかと思います。
- サスティンペダルのタイミングの問題でノートの終わりが次の音に少しかぶってしまう
通常サスティンペダルは正確に次の音を鳴らすタイミングで離すわけではなく、少し遅らせて踏みます。次の音ぴったりを狙い、間違って早く離してしまうと音が途切れるリスクがあるためです。逆に少し遅らせると、ちょっとだけ音はかぶっているんですが、気付かない範囲に収めることは簡単です。
このため、サスティンペダルを離すタイミングは次の音がなった少し後になっているため、そこまで前のノートが伸ばされてしまいます。
スコアエディタでは「オーバーラップなし」になっていれば影響がなく問題は無いはずです。再生時の実音でも、サスティンペダルを踏んだときと同じ状態なのでこれも問題はないはずです。 - ものすごく長いノートができてしまうことがある
録音を繰り返す際にサスティンペダルを離す信号がない状態があったりすると、ずっと踏みっぱなしと判定されて、ものすごく長いノートができてしまうことがあります。譜面上おかしなことになるので、これは見つけて修正するしかありません。 - 演奏情報が消えてしまう
サスティンペダルの情報は消えてしまい、指を離したタイミングの情報も消えてしまうため、ピアノロールを見ても実際の演奏の状況はわからなくなってしまいます。
なので、やはり、スコアエディタの設定でサスティンペダルを音の長さに反映するモードが必要なのではないかと思います。データは変えず、譜面上の解釈だけで解決できる問題だと思いますし。
でも、とりあえずリアルタイム入力で鍵盤の譜面を作る際には「サスティンペダルをノートの長さに変換」を使っていこうと思います。