リハーサルスタジオで練習をしていて、ボーカル・コーラスさんが自分の声が聞こえなくて大変だというのはバンドあるあるですが、解決方法としてはイヤーモニターなどがあります。でも、プロが使うようなイヤーモニターだと結構お高いです。それに、ミキサー卓からどのようにミックスしてモニターに返すかも問題です。でも、イヤーモニターしてるしてないでやってることが全く違うくらいパフォーマンスに差が出るという話もあります。
どこまで簡易的にできるかいろいろ調べたところ、最近セッションミキサーと言ったたぐいの製品が出てきていることがわかり、ちょっと面白かったので備忘録としてまとめてみます。
1. フットモニターをきちんと使う
リハーサルスタジオやライブハウスにはたいていころがしと呼ばれたりするフットモニターがあります。ボーカルさんの音がきちんと聞こえるようにセッティングするだけで十分改善するかもしれません。でも、イヤーモニターのように耳栓効果はないので、ボリュームが大きくなってしまって耳に悪いかもしれません。
2. ミキサー卓のヘッドホン出力からモニターする
延長ケーブルで自分のイヤホンまで持ってくる。普通ヘッドホン出力は一つしかないので1人だけモニターできる形になる。二股のコネクタなども利用できるかも。ヘッドホン出力に目的のミックスを出力するようにする方法を調べなければならない。延長ケーブル代くらいなので一番安上がりか。ただ、リハーサルスタジオではできるがライブハウスでは難しいと思われる。3.自分のマイクの音をイヤーモニターで聞く
BEHRINGER MA400マイクのキャノン端子をそのままつなげて、ミキサーにつなげているキャノンケーブルを THRU につなげばイヤホンでモニターできるようです。
- スタジオ環境に影響が少ない。ライブハウスでも簡単。
- バッテリーがなく AC アダプタを繋げる必要があるのでライブ時にはみっともないかも
- 鍵盤の音も聞きたい、と言ったミックスには向いていない。一応モニター入力があるのでできないことはないはず。
- 2500円程度
4. 各パートの人がパーソナルミキサーを持つようにする
自分のパートのミックスを自分で調整できるように小型のミキサーを持っていることがある。小型のミキサーでまとめた音をメインのミキサーに送ることになる。この場合、パーソナルミキサーにヘッドホン出力があるので、自分のまとめた音をモニターすることができる。ライブハウスでも同じ状況になるので BEHRINGER MA400
と同様にスタジオ環境に影響が少ない。
5.無線イヤーモニターの有線版
BEHRINGER P1ミキサーからモニター用のミックスをキャノンケーブルで返してもらい、イヤーモニターでモニターするもの。
- ミキサーからどのように返すかが問題
- バッテリー付きでベルトに付ける事が考慮されている。一応イヤーモニターとしての体をなす。
- MA400 のように THRU が無いのでマイクのケーブルの間に挟むといった使い方はできない。
- 6500円程度
6.本格的無線イヤーモニターシステムで安いのが発表された
- 2014年11月 発売予定
- 安いと言っても送受信機イヤホンセットの P3TJR112 で8万円
- 送信機毎に1つのミックスしか送れないようなのでそれぞれに聞きたいミックスで送るためには送信機が複数必要になる模様
- ミキサーからどのように返すかが問題なのは同じ
- まともなイヤーモニターシステムなのでライブでも練習でも問題なし。プロっぽい。
7.新ジャンルのセッションミキサー
レコーディングスタジオにはキューボックスと呼ばれる、それぞれの演奏者に任意のミックスでモニターするための音を返すシステムがあるらしい。このミキサーはヘッドホン出力が入力の数だけあり、それぞれの出力で任意のミックスが出来るようになっている。まさにキューボックス兼ミキサーだ。
- 新ジャンルのミキサー(といっても4年前ほどに出た?)
- メンバーの人数分任意のミックスでヘッドホン端子でモニター出力ができる
- レコーディングしない向きにはオーバースペックか
- 5入力の BedRoom で4万円、7入力の GreenRoom で 65000 円、SDカードレコーダー付きの TourBus が 95000円
- オプションでマルチトラックレコーダーがある
JamHub と比較して
- ローランドから2014年10月10日発売の後発品
- 5入力のみ
- 5出力個別にミックスも可能だが、簡単にマスターミックスに自分の音量プラス設定も可能。
- USB メモリーにステレオレコーディング。マルチトラックではない。
- PC に USB 接続で5入力のオーディオインターフェイスになるので DAW でマルチトラックレコーディング可能。このへんはローランドらしい。
- 65000円程度
8.いっその事 CUE システム
安い CUE システムが BEHRINGER から出ていた。
- インプットモジュール P16-I 約3万円
- パーソナルミキサー P16-M 約3万円
- 分配器 P16-D 約 13000 円。ミキサーを6台以上に増やす際に使用する。
- インプットモジュールとパーソナルミキサーは LAN ケーブルで接続
- 持ち運べないと思われる
- だからオーバースペックだと
あとがき
ボーカル・コーラスさんが自分の声が聞こえないと言う問題からずいぶん大げさな話になってきましたが、無線のイヤーモニターシステムの価格からすると、セッションミキサーや BEHRINGER の CUE システムとかが視野に入ってくるんですよね…
まずは1のフットモニターをきちんとする、2のミキサー卓のヘッドホン出力利用、3のマイクの音を直接モニターする方法を試してみようと思います。